「社外秘の資料を翻訳したいけれど、Google翻訳に入れるのは情報漏洩が怖い……」
「専門用語が多すぎて、AI翻訳だと意味が通じない……」
そんな悩み、抱えていませんか?
ビジネスの現場では、ただ翻訳できればいいわけではありませんよね。セキュリティと専門性が命です。
そこで今回ご紹介するのが、Systran(シストラン) です。

実は、50年以上の歴史を持つ自動翻訳のパイオニアでありながら、最新のAI技術を搭載した「プロ仕様」のツールなんです。
この記事では、Systranで具体的に何ができるのか、どうやって使い始めるのかを、元編集者の私がわかりやすく解説します。
一緒に、安心で高精度な翻訳環境を作っていきましょう!
Systranとは
Systran(シストラン) は、フランスおよびアメリカを拠点とする、自動翻訳界のレジェンド的な存在です。

1968年に世界初の自動翻訳システムを開発して以来、米国政府やグローバル企業に採用され続けてきました。みなさんがよく知るサムスンのGalaxyシリーズや、過去にはGoogleの翻訳機能にも技術提供していた実績があります。
最大の特徴は、「オンプレミス(自社サーバー)」での運用に強いこと。
クラウドにデータを上げずに翻訳できるため、防衛省や金融機関など、極めて高いセキュリティレベルを求める組織に選ばれています。
さらに、近年ではディープラーニング技術(ニューラル機械翻訳)を取り入れ、人間が翻訳したような自然さと、専門用語への対応力を兼ね備えた「SYSTRAN Pure Neural Server」を展開しています。
簡単に言えば、「世界最高レベルのセキュリティと、専門家の知識を学習できるAI翻訳」です。
Systranでできること
「翻訳ができる」と一言で言っても、Systranの機能は驚くほど多岐にわたります。
ここでは、ビジネスを加速させる多彩な機能を、独自の用語も交えて詳しくご紹介しますね。

📄 あらゆるドキュメント・ファイルの翻訳
- 📄 PDFファイルの翻訳:レイアウトを崩さずに、PDFファイルを丸ごと翻訳できます。
- 📊 Office 365文書の翻訳:Word、Excel、PowerPointなどのビジネス文書を、ファイルをアップロードするだけで翻訳します。
- 🌐 ウェブページの翻訳:海外のサイトを瞬時に日本語化し、情報収集をスピードアップします。
- 🖼️ 画像の翻訳:画像内のテキストを認識し、翻訳を実行します。
- 🎙️ 音声の翻訳(オプション):会議の音声データなどをテキスト化し、翻訳することができます。
- 📝 テキスト翻訳:チャット感覚でテキストを入力し、即座に翻訳結果を得られます。
- 💾 XMLファイルの翻訳:システム開発などで使用されるXML形式のファイルもそのまま扱えます。
⚙️ 高度なカスタマイズと学習機能
- 🧠 SYSTRAN Model StudioでのAI学習:過去の翻訳データ(対訳データ)をAIに学習させ、自社専用の翻訳モデルを構築できます。
- 📚 ユーザー辞書の作成(無制限):社内用語や製品名を登録し、翻訳を統一させることができます。登録数に制限はありません。
- 🤖 翻訳メモリ(TM)の作成・編集(無制限):過去に翻訳した文章をデータベース化し、同じ文章が来た時に再利用します。
- 🔄 正規化辞書による前処理:翻訳する前に、表記ゆれ(例:I am / I’m)を統一し、AIが理解しやすい形に整えます。
- ✅ 正規化辞書による後処理:翻訳された後の文章を、特定のルール(例:代名詞を「You」に統一)に従って自動修正します。
- 🧩 Neural Fuzzy Adaptation (NFA) 機能:翻訳メモリとAI翻訳を融合。部分的に一致する過去の翻訳(ファジーマッチ)を活用しつつ、違う部分だけをAIが賢く翻訳します。
- 🏗️ BigTransformerアルゴリズムの活用:最新のAIモデルにより、文脈をより深く理解した自然な翻訳を生成します。
- 🛒 専門エンジンの購入:マーケットプレイスから、医療や法務など特定の分野に特化した翻訳エンジンを追加購入できます。
- 👥 カスタム翻訳エンジンの構築:社内の専門翻訳者のスキルを「クローン」するように、独自の翻訳エンジンを作り上げることができます。
🏢 企業導入・連携機能
- 🔒 オンプレミス環境での利用:インターネットから遮断されたオフライン環境でも、高度なAI翻訳を利用できます。
- 🛡️ 強固なセキュリティ確保:データが社外に出ないため、情報漏洩のリスクを極限まで減らせます。
- 🔌 APIによるCATツール連携:TradosやXTMなどの翻訳支援ツールと連携し、プロの翻訳業務を効率化します。
- 🔗 CMS(コンテンツ管理システム)連携:Webサイトの更新システムとつなぎ、多言語サイトを自動で構築します。
- 🤝 CRM(顧客管理システム)連携:海外顧客とのやり取りをシステム内で自動翻訳します。
- 🏭 ERP(リソース管理)連携:社内の基幹システムに翻訳機能を組み込めます。
- 👮 社内コンプライアンスへの対応:ログ管理やアクセス権限の設定など、企業統治に必要な機能を備えています。
- 👨👩👧👦 多人数でのリソース共有:辞書や翻訳メモリをチーム全体で共有し、組織全体の翻訳品質を向上させます。
🏥 専門分野への特化
- ⚖️ 法務・特許分野の翻訳:契約書や訴訟資料など、厳密さが求められる文書に対応します。
- 💰 金融・財務分野の翻訳:決算書や市場レポートなど、専門用語が多い文書を正確に訳します。
- 💊 医療・製薬分野の翻訳:研究論文や申請書類など、高度な専門知識が必要な翻訳を支援します。
- 🏭 製造分野の翻訳:マニュアルやカタログ、技術仕様書の翻訳に適しています。
- 🎮 IT・ゲーム分野の翻訳:ソフトウェアのUIやサポート文書を、迅速に多言語化します。
- 🗣️ マニュアル翻訳のスタイル統一:例えば「I」を訳さず「You」として扱うなど、マニュアル特有の文体をAIに学習・強制させることができます。
Systranの使い方ガイド
Systranは企業向けのサーバー製品が主力ですが、ここでは導入から実際に翻訳を行うまでの流れを、ステップバイステップで解説します。

Step 1: 導入形態の検討と問い合わせ
まず、自社に最適なプランを選びます。
- 公式サイトへアクセス: シストランジャパンの公式サイトにアクセスします。
- ニーズの確認: 「クラウドで手軽に使いたい」か、「自社サーバー(オンプレミス)でセキュアに使いたい」かを決めます。特に機密情報を扱う場合はオンプレミスが推奨されます。
- 問い合わせ/資料請求: 企業導入がメインのため、Webフォームから問い合わせを行い、担当者と要件をすり合わせます。
Step 2: 環境構築(オンプレミスの場合)
- サーバーの準備: Systranの推奨スペックを満たすワークステーションやサーバーを用意します。
- インストール: 担当者のサポートのもと、SYSTRAN Pure Neural Server (SPNS) などをインストールします。これにより、社内ネットワーク内だけで動く翻訳環境が整います。
Step 3: 基本的な翻訳操作
導入が完了すると、Webブラウザ経由で専用のインターフェースにアクセスできるようになります。
- テキスト翻訳: 画面左側に翻訳したい文章を入力またはペーストします。右側に瞬時にAI翻訳結果が表示されます。
- ファイル翻訳: 「ファイルをアップロード」ボタンを押し、WordやPDFファイルを選択します。レイアウトを保ったまま翻訳されたファイルをダウンロードできます。
Step 4: 翻訳精度の向上(辞書・メモリ活用)
ここからがSystranの真骨頂です。
- ユーザー辞書の登録: 製品名や社内用語など、必ずこう訳してほしい言葉を辞書に登録します(例:Systran → シストラン)。
- 翻訳メモリ(TM)の適用: 過去に翻訳した「原文」と「訳文」のペアをアップロードします。
- プロファイルの設定: 翻訳する文書の種類に合わせて、「法務用」「マニュアル用」などのプロファイル(辞書やエンジンの組み合わせ)を選択して翻訳を実行します。
Step 5: さらなるカスタマイズ(Model Studio)
- データの収集: 社内にある大量の過去翻訳データを集めます。
- AIへの学習: SYSTRAN Model Studio を使い、データをAIに追加学習させます。
- モデルの評価: 学習後のエンジンの翻訳精度を確認し、実務に投入します。これで「自社専属のプロ翻訳者」のようなAIが完成します。
Systranの料金プラン
Systranの企業向け製品は、導入規模やサーバー構成、カスタマイズの有無によって価格が変動するため、公式サイト上で一律の料金表は公開されていません。
ただし、過去のプレスリリースや一般的なSaaS版の傾向から、以下のバリエーションが存在することが分かっています。

1. SYSTRAN Translate Pro(クラウド版)
個人や小規模チーム向けのクラウド翻訳サービスです。
- 料金体系: 月額または年額のサブスクリプション形式。
- 特徴: 手軽に始められますが、データはクラウドを経由します。
- 価格: 執筆時点では正確な最新価格が公開されていません。公式サイトよりご確認ください。
2. SYSTRAN Pure Neural Server(オンプレミス版)
企業が自社サーバーに導入する、セキュリティ最優先のプランです。
- 料金体系: ライセンス購入(初期費用)+年間保守費用などが一般的です。
- 特徴: データが外部に出ません。翻訳量やユーザー数は無制限になるケースが多いです。
- 価格: 執筆時点では公開されていません。要件定義後の見積もりとなります。
3. 専門エンジン・オプション
- 専門エンジン: マーケットプレイスから特定の分野(医療、法務など)のエンジンを追加購入できます。
- Model Studio: 独自のAI学習機能を利用するためのオプション料金が発生する場合があります。
正確な金額を知りたい場合は、公式サイトの「お問い合わせ」から見積もりを依頼するのが一番の近道です。「数千万円の翻訳コストを削減できるか」といったウェビナーも開催されているため、長期的なコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
Systranはどんな人におすすめ?
Systranは高性能ですが、全てのユーザーに適しているわけではありません。特に以下のような方には、最強のパートナーとなるでしょう。

🔒 機密情報を扱うセキュリティ重視の企業担当者
「Google翻訳などの無料ツールは、入力データが再利用される規約になっていて使えない」という方。Systranのオンプレミス版なら、データは一切社外に出ません。防衛省や金融機関での採用実績がその安全性を証明しています。
🏭 専門用語が飛び交う製造業・メーカーの方
マニュアルや技術仕様書など、独特な言い回しや専門用語が多い文書を扱う方。汎用的なAI翻訳では誤訳だらけになってしまう場合でも、Systranなら「ユーザー辞書」や「AI学習」で、社内用語を完璧に反映させることができます。
⚖️ 特許事務所や法律事務所の方
膨大な量の特許資料や契約書を読み込む必要がある方。PDFのレイアウトを保ったまま翻訳できる機能や、法務特化型のエンジンを使うことで、リサーチ時間を大幅に短縮できます。
🌍 グローバル展開するIT・ソフトウェア企業
アプリやソフトのUI、ヘルプドキュメントを多言語化したい方。XMLファイルの翻訳や、APIを使ったシステム連携により、開発プロセスの中に翻訳を自動的に組み込むことが可能です。
📝 プロの翻訳者・翻訳会社
「AIに仕事を奪われる」のではなく、「AIを使いこなして効率を上げたい」方。CATツール(翻訳支援ツール)とSystranを連携させ、下訳(したやく)としてAIを使うことで、翻訳スピードを劇的に向上させることができます。
SystranのFAQ
導入を検討する際によくある疑問を、Q&A形式でまとめました。
Q. Systranのセキュリティは本当に安全ですか?
A. はい、世界最高レベルの安全性を誇ります。
Systranは「オンプレミス(自社運用)」での導入が可能です。これは、インターネットから遮断された社内ネットワークの中だけで翻訳システムが完結することを意味します。第三者のサーバーにデータが送られることがないため、情報漏洩のリスクを根本から排除できます。
Q. 辞書登録をすればするほど、Systranの翻訳精度は上がりますか?
A. 実は、むやみな登録は逆効果になることもあります。
SystranのFAQによると、AIは言葉同士の関係性を学習しています。単語を不用意に辞書登録(固定)してしまうと、文脈の流れをAIが理解できなくなり、不自然な翻訳になることがあります。
「品詞が一つしかない」「意味が固定されている(固有名詞や商品名)」場合にのみ辞書登録するのがコツです。文脈に沿った修正をしたい場合は、「AI追加学習」を行うのがベストです。
Q. 既存の翻訳メモリ(TM)はSystranで活用できますか?
A. はい、強力に活用できます。
「Neural Fuzzy Adaptation (NFA)」という独自技術により、翻訳メモリのデータとAI翻訳を融合できます。完全に一致する文章だけでなく、部分的に一致する(ファジーマッチ)文章も、過去の翻訳資産を活かしながら、違う部分だけをAIが補完して翻訳します。これにより、過去の資産を無駄にしません。
Q. SystranはGoogle翻訳やDeepLと何が違いますか?
A. 「カスタマイズ性」と「データ所有権」が大きく異なります。
一般的な無料翻訳ツールは「汎用エンジン」であり、みんなが同じエンジンを使います。一方、Systranは企業ごとに「専用エンジン」を作ることができます。また、データが学習に使われるかどうかのコントロール権が完全にユーザー側にある点も、ビジネスユースでの決定的な違いです。
Systranでビジネス翻訳を革新しよう
ここまで、Systranの魅力と可能性についてお話ししてきました。
正直なところ、個人で「ちょっと旅行の会話を訳したい」という用途にはオーバースペックかもしれません。
ですが、「企業の信頼を守りながら、業務効率を劇的に上げたい」 と考えているなら、Systranは間違いなく最高の選択肢の一つです。
特に、「セキュリティ」と「専門性」。
この2つの壁にぶつかってAI翻訳の導入を躊躇していた企業こそ、Systranが突破口になります。
「うちは特殊な業界だから無理かも……」と諦める前に、まずはその道のプロフェッショナルであるSystranに相談してみてはいかがでしょうか?
あなたの会社の「言葉の壁」がなくなる日は、もう目の前です。
▶︎ Systranを無料で使ってみる
(※リンク先は公式サイトです。無料トライアルやデモの有無は時期により異なります)



