動画制作の常識、また一つ変わっちゃいましたね。
「頭の中にある映像をそのまま形にしたい」「でも、プロのような編集技術も高額な機材もない……」そんな悩み、抱えていませんか?
実は、「Seedance(シーダンス)」 という新しい生成AIが、その壁を完全に壊そうとしています。これまでの動画生成AIとは一味違い、プロの映像作家が使うような「演出」や「カメラワーク」まで指示できてしまうんです。
この記事では、話題のSeedanceについて、何がすごいのか、どうやって使うのかを、どこめよりも分かりやすく解説します。ちょっと複雑な登録手順も、図解するように丁寧に説明しますので、一緒に未来のツールを触ってみましょう。
Seedanceとは
Seedance(Seedance 2.0 / ByteDance Seedance Point 2)は、TikTokの親会社であるByteDanceが開発した、最新鋭の動画生成AIモデルです。

これまでの動画生成AIは「テキストから動画を作る」のが主流でしたが、Seedanceは「画像、動画、音声、テキスト」のすべてを組み合わせて、一本の動画を作り上げることができます。これを専門用語で「マルチモーダル」と呼びます。
特にすごいのが、「他人の動画の動きだけをコピーして、自分のキャラに適用する」といったモーション転送(Motion Transfer)の技術。これにより、「AIで作った動画は動きが不自然」というこれまでの弱点をほぼ克服し、「何でもできるモデル(The model that does it all)」と評されるほどの完成度を誇っています。
現在は「Experience only(体験版)」として公開されており、誰でもアクセス可能ですが、その実力はハリウッドのクリエイターたちがざわつくレベルです。
Seedanceでできること
「動画が作れる」と言っても、具体的に何ができるのか気になりますよね。
Seedanceは単に映像を作るだけでなく、まるで映画監督のように細かく指示が出せます。
ここでは、Seedanceの驚異的な機能を、カテゴリーごとに分けて27個、一挙にご紹介します。

🎨 基本的な生成機能
まずは、基本となる「ゼロから作る」機能です。これだけでも十分すごいのですが、Seedanceの基礎体力を見てみましょう。
- 🎬 テキストからの動画生成:作りたい情景を文字で打つだけで、高画質な動画が生成されます。
- 🖼️ 画像からの動画生成(Image to Video):手持ちの1枚のイラストや写真を、自然に動かすことができます。
- 🗣️ マルチモーダル生成:画像、動画、音声、テキストを一度に混ぜ合わせて、複雑な指示をこなします。
- ⏱️ 動画の延長(Video Extension):短い動画の続きをAIに想像させて、自然に尺を伸ばすことができます。
- 📏 4〜15秒の尺指定:生成する動画の長さを、用途に合わせてユーザーが指定可能です。
- 🔊 ネイティブオーディオ生成:映像に合わせた効果音やBGMも、AIが自動で生成してくれます。
- 🔄 最大12ファイルの同時入力:画像9枚、動画3本など、多数の素材を一気に読み込ませて生成に使えます。
🎥 プロ級の演出・カメラワーク(モーション転送)
ここがSeedanceの真骨頂です。既存の動画を「見本」にして、その演出技法だけを盗むことができます。
- 💃 複雑な振り付けのコピー:ダンス動画を読み込ませて、静止画のキャラクターに同じダンスを踊らせることができます。
- 🥊 アクションシーンの再現:格闘シーンの動きだけを抽出し、別のキャラで再現。スタントマン要らずです。
- 📹 カメラワークの模倣:ドリーショットやパン(横移動)など、参考動画のカメラの動きだけを適用できます。
- 🔍 ヒッチコック・ズーム:背景が迫ってくるような特殊なズーム演出も、指示一つで再現可能です。
- 🛰️ オービットショット:被写体の周りをぐるりと回るようなカメラワークを指定できます。
- 🏃 トラッキングショット:動く被写体を追いかけ続けるカメラワークを、途切れることなく生成します。
- 🎞️ 編集リズムのコピー:参考動画のカット割りやテンポ感を、そのまま新しい動画に反映させます。
- ✂️ ワンカット長回し(One-Take):カットを割らずに、複数の場所を移動していくような長尺映像を生成します。
🤖 キャラクターと一貫性の保持
AI動画の最大の敵「顔が変わっちゃう問題」にも、強力な解決策があります。
- 👤 キャラクターの固定:別のカットになっても、登場人物の顔や服装を一貫して維持します。
- 👔 商品ディテールの保持:ロゴや細かい商品の特徴を崩さずに、動画内で動かすことができます。
- 🎭 表情のコントロール:ストレスを感じた顔からリラックスした顔へ、感情の変化を自然に描きます。
- 👄 リップシンク(口パク):多言語のセリフに合わせて、キャラクターの口の動きを自動で合わせます。
- 👯 複数キャラの認識:AIが知っている有名キャラ(マーベルヒーローなど)なら、名前だけで認識し描き分けます。
🛠️ 高度な編集・リファレンス操作
「@」を使った特殊な構文で、素材の使い道を細かく指定できます。
- 📌 最初のフレーム指定(First Frame Mode):「この画像から動画を始めて」という正確なスタート地点を指定できます。
- 🏁 最後のフレーム指定:動画のオチとなる最後の画を指定し、そこに向かって変化させることができます。
- 🔄 プロットの転覆(Subvert the plot):既存の動画のストーリーを途中から無理やり変える(例:ロマンスをサスペンスにする)ことができます。
- 🧹 不要なオブジェクトの削除:動画内から邪魔なものを消したり、別のものに置き換えたりします。
- 👗 衣装・背景の変更:キャラクターの動きはそのままで、服や背景だけを別の画像のものに差し替えます。
- 🎵 ビートシンク(音ハメ):アップロードした音楽のリズムに合わせて、映像のカットや動きを同期させます。
- 🌌 物理演算の正確性:布の揺れや重力による落下など、現実世界の物理法則に則った動きを再現します。
Seedanceの使い方ガイド
「機能はわかったけど、どうやって始めるの?」という方へ。
実はSeedanceは現在、一般的なアプリストアではなく、ByteDanceの開発者向けプラットフォームからアクセスする必要があります。
ちょっとだけ手順が複雑ですが、以下のステップ通りに進めれば大丈夫ですよ。

Step 1: 公式サイトへアクセス
まずは、ByteDanceの「Playground Arena」または公式のアクセスリンクを開きます。これがSeedanceへの入り口です。
Step 2: アカウント作成(Sign up)
画面上の「Sign up now」をクリックします。
Googleアカウントを使って登録するのが一番スムーズでおすすめです。
Step 3: プロフィールの入力
名前や国などを入力します。組織名(Organization)は個人利用なら適当な名前でも大丈夫です。
Step 4: 電話番号認証(超重要!)
ここが最大の関門です。実在する電話番号の入力が必須です。
SMSで認証コードが送られてくるので、それを入力して本人確認を完了させます。ここを突破しないと機能を使えません。
Step 5: 「Media」タブへ移動
ログインできたら、画面の左側や上部にあるメニューから「Media」という項目を探してクリックします。
※注意:「Chat」エリアに行ってしまう人が多いですが、動画生成はMediaエリアで行います。
Step 6: モデルを選択する
ドロップダウンメニューから、「ByteDance Seedance Point 2(またはSeedance 2.0)」を選択します。
「experience only(体験版)」というラベルが付いているはずです。
Step 7: 有効化(Activate)
最初は「Not activated」というステータスになっています。「Activate」ボタンをクリックし、利用規約などに同意して有効化します。
Step 8: 支払い情報の登録
「無料じゃないの?」と思うかもしれませんが、無料枠を使うためにもクレジットカード情報の登録が必要な場合があります。
これは不正利用を防ぐための仕様です。いきなり課金されるわけではないので安心してください。
Step 9: プロンプトを入力して生成開始!
準備完了です!
プロンプト入力欄に、作りたい動画の指示を英語で入力します。
ここで、Seedance独自の便利な「@メンション」の使い方を覚えておきましょう。ファイルをアップロードした後、以下のように指示します。
@Image1 as the first frame, reference @Video1 for camera movement, use @Audio1 for background music
(訳:@Image1を最初のフレームにして、@Video1のカメラワークを参考にして、@Audio1をBGMに使って)
このように「@ファイル名」で役割を指定することで、思い通りの動画が作れます。
Step 10: トークン残量に注意
生成ボタンを押すと、数分〜数十分で動画が完成します。
ただし、解像度や長さに応じて「トークン」が消費されます。残量をチェックしながら楽しみましょう。
Seedanceの料金プラン
気になる料金についてですが、執筆時点でのSeedanceは「体験版」という位置付けのため、少し特殊な体系になっています。

無料トークン付与
アカウント登録時に、500万トークン(5 million tokens) が無料で付与されます。
これはかなりの量ですが、高画質・長尺の動画を作ると意外と早く消費してしまいます。
正式な月額プランは未定
現時点では、「月額〇〇ドル」といった固定のサブスクリプションプランは明確に公開されていません。
基本的には従量課金(トークン消費)制となっており、無料分を使い切った後は、追加でトークンを購入するか、今後の正式リリースを待つ形になります。
課金通貨について
公式サイトでの表記に準じますが、追加購入などが発生する場合は米ドル(ドル)建てでの決済が基本となります。
※料金体系はベータ版のため頻繁に変更される可能性があります。「執筆時点では公開されていません」が正確な情報となる部分も多いため、必ずPlayground Arenaの管理画面で最新情報を確認してくださいね。
Seedanceはどんな人におすすめ?
「すごいのはわかったけど、自分に使いこなせるかな?」
そんな不安があるかもしれませんが、実はこんな人たちにこそ、Seedanceは強力な武器になります。
🎬 モーションゲーラフィックス制作者
これまで「After Effects」などのソフトで数時間、数万円かけて作っていたモーショングラフィックスが、プロンプト一つで生成できます。
「低予算だけど高品質な素材が欲しい」というクライアントワークの救世主になるでしょう。

📢 広告・マーケティング担当者
商品の静止画はあるけど、CM用の動画がない……。そんな時、Seedanceなら商品画像を動かし、目を引く演出を加えることができます。
「静止画素材から動画広告を量産する」という使い方が、最もコストパフォーマンスが高いです。
🎨 絵コンテを映像化したい監督・演出家
手描きの絵コンテ(ストーリーボード)をアップロードし、「この間を繋いで」と指示するだけで、ビデオコンテ(Vコン)が完成します。
撮影前のイメージ共有が劇的にスムーズになりますよ。
📹 YouTube・TikTokクリエイター
顔出しなしで、魅力的なキャラクター動画を作りたい人に最適です。
特に「リップシンク機能」を使えば、AIアバターに自然に喋らせることができるので、解説動画やストーリー動画の制作コストが激減します。
🦸♂️ アニメ・映画ファン(二次創作)
「あのアニメの戦闘シーンのような動きを、自分のオリジナルキャラで見てみたい!」
そんな夢のようなリクエストも、Seedanceのモーション転送機能なら叶います。趣味の創作活動の幅が無限に広がりますね。
SeedanceのFAQ
Q. Seedanceで生成した動画の商用利用はできますか?
Seedanceの利用規約によりますが、現在は「Experience only(体験版)」としての提供であるため、商用利用には制限がある可能性があります。本格的にビジネスで使う場合は、必ず最新の規約(Terms of Service)を確認してください。
Q. 生成にどれくらい時間がかかりますか?
Seedanceへのアクセスが集中しているため、特にチャット形式のインターフェース経由だと、1本の動画生成に15〜20分ほどかかることがあります。ByteDanceのコンソール画面(Playground Arena)から直接操作した方が速い場合が多いです。
Q. 日本語のプロンプトは使えますか?
基本的には英語での指示(プロンプト)が推奨されています。Seedanceは高度な言語理解能力を持っていますが、意図通りの細かい演出(カメラワークなど)を反映させるには、翻訳ツールを使って英語で入力するのが確実です。
Q. キャラクターの顔が崩れませんか?
Seedanceはキャラクターの一貫性を保つ能力が高いですが、登場人物を1〜2人に絞ることで、より崩れにくくなります。人数が多すぎるとAIが混乱する場合があるので、シンプルな構成にするのがコツです。
Seedanceで映像制作の常識を覆そう
ここまでSeedanceについて解説してきましたが、いかがでしたか?
「動画を作る」という行為が、技術的な作業から、純粋な「アイデアの勝負」へと変わりつつあることを感じてもらえたなら嬉しいです。
もちろん、まだベータ版で待ち時間があったり、英語が必要だったりとハードルはあります。でも、「プロ級の演出を、自宅のPCから指示一つで生み出せる」という体験は、一度味わうと戻れないほどの衝撃です。
まずは無料の500万トークンを使って、あなたの頭の中にある「最高のワンシーン」を形にしてみませんか?
きっと、「こんなことまでできるの!?」と驚くはずですよ。



